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高橋かつのりが自身の考えや想いを綴るコラム『夢だより 風だより』

夢だより 風だより【第二十四想】
2001.05.01

 4月号の「夢だより風だより」に書いたA君から電話で報告をいただいた。彼らが真っ黒になりながら焼いた竹炭と竹酢液のバザーでの評判は上々で、売上は締めて¥49800円、この益金はすべて社会福祉協議会等の福祉団体に寄付される予定という。そして、売り物にならない竹炭を自宅に持って帰ったA君の仲間からは、その消臭・脱臭の効果に驚きの声が寄せられたともいう。竹酢液の評判もしかり。うれしい報告であることは勿論だが、同時に、彼らの炭焼きを指導してくださった台新田の古口暢治さん・鈴木壽太郎さんには心からの感謝を申し上げたい。

 

 さて今月号の本題に入る。4月27日から小中学生の米飯給食用米が高根沢産コシヒカリ「したつづみ」にかわることになった(この原稿は4月20日に書いている)。これまで週3日の米飯給食用米は、栃木県学校給食会から県内産コシヒカリを購入してきた。以前から疑問に思っていたことだが、どうして米どころ高根沢の子どもたちが他所の米を食べる必要があるのか? 給食制度の成り立ちや流通機構の問題などその原因はいろいろあるのだろうが、そのことを差し引いても疑問は残った。「当たり前のことを、当たり前にやる」という私の信条からはとうてい看過できないことだったのである。

 

 「4里以内で食をとれ」とは昔から言われてきたことだが、食物という性格上このことは至極当たり前のことだ。だがしかし、「発展」や「経済成長」という美名のもとに、この当たり前のことは見事に解体されてしまったのである。

 

 給食用飯米については「したつづみ」の使用で終わるつもりはない。「土づくりセンター」の堆肥を使い、農薬や化学肥料を極力抑えた農法によって生産された、安心安全な高根沢産米を子どもたちに食べてもらいたい。幸いなことに、この新たな挑戦に協力しようというチャレンジ精神溢れる農業者も名乗りをあげてくださった。勿論これから試行錯誤はあるだろうが、秋の収穫以後は子どもたちに提供できることになる。

 

 さらに野菜等についても本年度は研究・試行をする予定だ。多くの困難と高いハードルが待ち構えていることはわかっている。献立を作る給食センター、農業者、JA(農協)、商工会(小売業者)、給食センター運営委員会(父兄の代表も入る)、それぞれの皆さんがそれぞれの立場で主張すべきことを主張し譲るべきことを譲り、組み立てていかなければ成し遂げられることではない。既存の仕組みを壊し新たなものを創り上げることには、たいへんなエネルギーを必要とするが、わが町の最も大切な財産である子どもたちに関わることだ。伏してお願いを申し上げたい。

 

 町民が足元で獲れた農産物を当たり前に食べる。こんな当たり前のことが出来なくて、子どもたちが当たり前に成長できるのか。「食」とはそれほど大切なことだと思っている。

 

 私には自負がある。「農山村が滅んだら都市は滅びるが、都市が滅んでも農山村は滅びない」と。

■こちらのコラムに関して

こちらのコラムは、高橋かつのりが高根沢町長在任時、高根沢町の広報誌『広報たかねざわ』で執筆していたコラム『夢だより 風だより』を、高根沢町の許可を得て転載しております。
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