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高橋かつのりが自身の考えや想いを綴るコラム『夢だより 風だより』

夢だより 風だより【第百七想】
2011.09.01

高根沢の自信作「タンタンえだまめ」

 七月三十日、JAしおのや枝豆部会の皆さんと一緒に販促活動に行ってきました。私自身の参加は三年目になります。今年の場所は、東京千住青果市場の紹介で葛飾区亀有駅前の「クサマストアー」。JAしおのやの法被を着て、手に持ったお盆には山盛りの茹でた「タンタンえだまめ」。買い物客や通りすがりの方に試食を勧めますが、反応は決してよくありません。それでもめげずに、「とにかく一つ食べてみてください。お願いします。」と頭を下げると、気乗りしない様子ながらも一つ摘んで莢(さや)を口に持っていきながら通り過ぎます。それから数秒後、「ちょっと、この枝豆、どこにあるの?」と試食をしてくださったほとんどの方が戻ってきました。

 レジを打っていた社員の方は、レジ打ちの合間に駆け足で試食に来ました。お客様の買い上げ商品の中に、「タンタンえだまめ」が急に増えたので味見にこられたのでした。それから十五分後、また駆け足で来て、「売り切れないうちに買っとかなくちゃ」といって三袋を取って駆け足で戻っていきました。

 販促部隊一行は亀有駅前のあと、東京豊島青果紹介の店舗でも販促活動を行いました。私は地元での日程があったために途中で部隊を離れましたが、豊島区ではタンタンの着ぐるみが登場しました。効果は抜群だったそうです。タンタンにまず子供さんたちが寄ってきて、それにつられて親御さんが来る。間髪をいれずに試食を勧める。食べた方はその美味さに購入せずにいられなくなる。以上は同行した町職員田野辺さんの報告ですが、亀有駅前と同じ反応だったようです。

 「良いものが売れるのではない。売れるものが良いものだ。」あらためてこの言葉を噛み締めました。世の中に良いものを作っている人はたくさんいます。しかしそれらがすべて売れているわけではありません。良さを知ってもらわなければ売れないのです。売れないことや値段の安さを周りのせいにしても何も始まりません。諦めず続けられるか、られないか。ブランドとはそうやって生まれていくのでしょう。

 

 

平時と非常時

 八月十日、「栃木県市町村トップセミナー」の講師は元岩手県知事・元総務大臣の増田寛也氏でした。非常時における平時のやり方、別の言い方をすれば官僚主義、上意下達、書類主義が、いかに有害無益なものであるかの事例を話されました。

 東日本大震災で三陸沿岸の病院の多くが壊滅しました。幸いにも壊滅を免れた病院において必死の医療活動が続けられましたが、どの病院でも医薬品の在庫が底をつく事態に直面しました。この事態に、内陸部の病院からは医薬品補給の申し出がありましたが、行政からストップがかかったというのです。理由は、病院間の医薬品のやり取りは薬事法違反である、とのことだったそうです。

 もう一つ、こんな事例もありました。津波でほとんどの車両が流され、事業の復旧に向けてまずは車両を確保しなければならない時に、車庫証明、印鑑証明を求められたというものでした。事業所も自宅も瓦礫に埋まっている状態で、役所も機能を失っている中で、車庫証明も印鑑証明も不可能なことは誰の目にも明らかでしょうに。

 いずれも三月下旬には、これらの不合理な状態は解消されたとのことでしたが、平時に守らなければならないことと、非常時に優先しなければならないことの教訓を物語っていました。

 法律や制度は人間のために良きことを為すためにあるのですから、平時の法が非常時には害となるのであれば、身を賭して法を破る勇気が我々には必要なのだと、増田氏の話を聞きながら、三月十一日以降の自らの行動を振り返ったのでした。

■こちらのコラムに関して

こちらのコラムは、高橋かつのりが高根沢町長在任時、高根沢町の広報誌『広報たかねざわ』で執筆していたコラム『夢だより 風だより』を、高根沢町の許可を得て転載しております。
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