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高橋かつのりが自身の考えや想いを綴るコラム『夢だより 風だより』

天に貯金をする
2015.07.07

 祖父との記憶の中に「お天道様は必ず見ている」「天知る、地知る、我知る」「天に貯金をする」という言葉があった。世間的には恵まれなかった祖父だったが、いつも飄々として諭してくれた。

 筑波大学名誉教授の村上和雄先生によれば「天に貯金をするとは、人に喜んでもらえるような行いを重ね天に貯金をしておくと、後で利息がついて必ず還ってくる。しかし、すぐに実を結ぶときもあれば何十年もかかるときもあり、その見返りも、人間は一代限りではなくずっと続くのだから、自分の代ではなくても、後の代に見返りがあればいいではないか」ということらしい。陰徳を積むと同じことだ。

 人生を省みて、自分のような者が国会議員として在るのは自分の力では決してない。国会議員秘書として至誠を貫いて来たことは事実だが、自らが政治の表舞台に立てる環境にはまったくなかった。それが県議、町長、参議院議員である。

 特に40歳で出馬した町長選は120%勝てないと言われたが蓋を開ければ大勝だった。その時に感じたのだ。ご先祖様の天の貯金が人生の瀬戸際で下りて来て助けてくれたのだと。

 しかし下ろすばかりで積まなければ貯金は底をついてしまう。どんな小さなことでもいい、自分も天に貯金をしたい。例えば駐車場に車を止める時、建物の近くのスペースは高齢者や小さな子供のいる人のために自分は遠くのスペースに止める。食料品を買う時、皆が日付の新しいものを買うと古いものが売れ残り廃棄処分されてしまうので賞味期限の近いものを買う。日本はそんな精神を持った先人たちが築いた美しい国であり、この国柄こそが幕末明治の日本を救ったのではないのか。

 二宮尊徳翁の言葉にもある。「遠くをはかるものは富み、近くをはかるものは貧す」と。

 

平成27年(2015年)7月14日(火)『自由民主』より  記事はこちらをクリックしてください→20150707103105724

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