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この国を滅ぼしたくない

かつのりコラム

高橋かつのりが自身の考えや想いを綴るコラム『夢だより 風だより』

夢だより 風だより【第百二十一想】
2012.12.01

とちぎ元気グルメまつり

 十一月三日、四日の両日、栃木県庁前において「とちぎ元気グルメまつり」が開催されました。県内各地から三十六店が集まり、来場者による人気投票の結果「鹿沼和牛串焼き」がグランプリに輝きました。

 

 本町からは商工会・飲食店組合を代表して和食レストラン麻希の「県産牛串焼き(にっこりおろしソースがけ)」が人気投票第六位にはいりました。この商品は、県産牛モモ肉をロール状に巻き、高根沢産にっこり梨のピューレの入った「にっこりおろしソース」をかけたものです。町では、栃木県育成品種である「にっこり」梨を県内他産地に比べいち早く導入しました。しかし貯蔵中に傷由来の褐変が発生したものや市場流通規格外品は出荷ができません。そこでJAや県農業振興事務所、商工会、学校給食センター等と協働してピューレ状に一次加工し、原料として年間を通じて使用できるように開発したのです。今回は、和食レストラン麻希の加藤オーナーシェフが、このピューレを使って絶品のソースを創り上げてくれました。

 今回のグランプリは「鹿沼和牛串焼き」が取りましたが、私の心の中では、麻希さんの「県産牛串焼き(にっこりおろしソースがけ)」が絶対にグランプリです。なぜならば、ブランド牛でも高価でもない普通の県産牛肉を、手間暇かけてロール状に巻き、県特産のにっこり梨の甘味の効いたソースをかけることで、軟らかく、小さな子供からお年寄りの方まで食べられるよう工夫された商品でした。ご当地グルメとは何ぞや?と問われれば、それは庶民の味であり、普通の人が買うことができる普通のものを、知恵を絞って、さらには心をも込めて、最高の味に仕上げたものです。手間も暇もかかるけれど、その手間暇の中に料理人の思いが込められている。高価なブランド牛ならば、素材そのものの味で勝負でしょうが、はたしてそれがご当地グルメなのか?庶民の味なのか?加藤オーナーシェフの果敢な挑戦に心から敬意を表したいと思います。

 

 さらに本町からはもう一品参加しました。高根沢町元気メニュー開発プロジェクトの「タンタンアイ♥ラン丼」で、こちらは第十七位でした。この商品は、作新学院大学経営学部前橋ゼミナールの学生と元気あっぷむら「あやめ」の田崎料理長が中心になって開発したものです。町のキャラクターのタンタンと、町内小学校に外国語指導助手を派遣していただいている南国島国(アイランド)のフィジーを組み合わせたネーミングでした。町産のコシヒカリをハート型にして島に見立て、その上に町内で採れた野菜と県産肉を町の名産である御料味噌とにっこり梨のピューレをベースに味付けをし、周りには海をイメージしたグリーンココナツミルクカレーをかけ、仕上げは島に旗を立てて完成、という丼でした。この商品は何と言っても、作新学院大学の学生との協働に意味があります。彼らの学習の成果と柔軟な発想、それを必要とする町とのマッチング。すべてのことに共通することですが、これからの町づくりは、いかに多種多様多方面の「志民」が、それぞれの能力の範囲で無理することなく楽しく、自分の持っているものを提供しあうことだと思います。両日とも、すべての作業に汗を流してくださった学生達に感謝します。これからも一緒によろしくです。

 

 とちぎ元気グルメまつりには出品しませんでしたが、今月号の広報に載っているように、高根沢高校商業部の生徒が開発した「はんべえ」、FMとちぎ「高根沢たんたんCafé」から生まれた「たんたんティーヤ」、十一月十六日に九州佐賀県武雄市で開催された「全国ご当地ちゃんぽんサミット」に乗り込み、ちゃんぽんの本場九州で大好評を博し、見事四百食を完売した「高根沢ちゃんぽん」。私たちが普段当たり前だと思っている地元の食材が、実は他所から見るととても価値があり、それら足元にある隠れた宝物を「あるもの探し」して、「手間暇かけて」それぞれの素材の味を最高に引き出していく。

 昨年の大震災で大きな被害を受けた本町ですが、多くの志高き町民の皆様が、いろいろな形でこの町を何とかしようと努力してくださっている。このことに対して感謝の言葉もありません。

 

 今年最後の「夢だより風だより」となりましたが、町民皆様のご協力を胸に刻みながら、筆を置きたいと思います。ありがとうございました。

■こちらのコラムに関して

こちらのコラムは、高橋かつのりが高根沢町長在任時、高根沢町の広報誌『広報たかねざわ』で執筆していたコラム『夢だより 風だより』を、高根沢町の許可を得て転載しております。
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