• フォントサイズ
  • 中
  • 大

高橋かつのりが自身の考えや想いを綴るコラム『夢だより 風だより』

夢だより 風だより【第四十想】
2002.11.01

 今月号の「夢だより風だより」は塩谷広域行政組合のゴミ処理施設問題について報告をしたいと思います。

 

 昨年二度のゴミ搬入阻止によって町民の皆さんに不便と不安をおかけした原因は、本年十二月一日からの新たなダイオキシン排出規制をクリアするための方法と施設のあり方についての考え方の違いでした。広域行政側は「ゴミ固形燃料化施設(よくRDFと呼ばれているものです)」を現在地に建設し、少なくとも施設の耐用年数期間(概ね二十年)は稼動させていただきたいとの考えでした。施設が立地する地域の皆さんの不安の第一がダイオキシンの問題であることを考えると、既存の施設に比べて少なくとも千分の一程度にまでダイオキシン排出量を減らすことのできるRDF施設を提案したことは、「善意」からの発想でした。

 

 しかし地域住民の皆さんが問題としたことは、現施設建設時に交わした協定書にある「新設増設は認めない」との約束であり、施設立地の将来にわたる固定化への危惧でした。現施設建設時にどのような交渉がなされたかを、私は詳細に知る立場にありません。しかし一連の話し合いで明らかになったことは、どのような方法をもってしても拭い去ることのできない行政不信を地域住民の皆さんが抱いているということでした。そしてこの責任が広域行政側にあるということも、残念ですが納得せざるを得ませんでした。これまでの行政と住民の関係性という固定観念の中から生まれた我々の「善意」が、いかに的外れなものであったかを思い知れされたのです。

 

 現在、新たな協定書に基づき、現施設の改造工事が進んでいます。十二月一日からのダイオキシン規制をクリアしなければ、塩谷広域から出る一日八十トン以上のゴミを処理することはできません。処理できないゴミが山積みになるような事態を避けることは私たちに課せられた至上命令です。

 

 さらにもう一つの大きな課題があります。新たな協定書には本年十二月三十一日までに次期建設候補地を、塩谷町、高根沢町及び喜連川町の三町のいずれかに決定する、とあります。このことにも責任を持って結論を出さなければなりません。

 

 私は、次期建設候補地(範囲は「町」の単位です)決定の方法についてこんな提案をしました。「これまでのように首長や議会の代表が密室に集まって鳩首会談をやるような事はやめましょう」と。どの町も歓迎しないけれどどこかに建設しなければならない施設であればこそ、説明責任を果たせる方法をとりたい。さらには、現在は「歓迎されない」施設であっても、安全性を学問的に担保し余熱を新たなエネルギーとして地域に還元し、ゴミ搬入にともなう交通問題や迷惑施設としてのイメージの問題を解決できないか。そんな思いから、宇都宮大学の国際学部、農学部、工学部、教育学部の五人の教授・助教授の方々と各市町村の衛生担当課長による共同研究組織を立ち上げました。五人の人選は行政側に好意的な方ではなく、これまでの行政手法に批判的な方々がそれぞれの専門分野から宇大の北島副学長によって選任されました。いろいろな面から分析検討し、客観的・科学的・合理的な選定方法を立ち上げたいからです。選定の過程を透明にすることはもちろん、その結果についても十分に説明責任を果たしたいからです。全国的にも例の無い手法ですので、広域組合内にも理解できない方がいたり宇大の先生方も試行錯誤の連続ですが、現在三町の基礎資料の収集をほぼ終了し学内において分析検討の段階に至っています。

 

 すべての情報を全部オープンにする。その立場を変えることなくこれからも報告していくつもりです。町民皆さんにはご理解をいただくとともに、「まずゴミ減量化ありき」を忘れてはいけないと思っております。

■こちらのコラムに関して

こちらのコラムは、高橋かつのりが高根沢町長在任時、高根沢町の広報誌『広報たかねざわ』で執筆していたコラム『夢だより 風だより』を、高根沢町の許可を得て転載しております。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載はご遠慮下さい。
高根沢町 公式ホームページはこちら

インデックスに戻る
ページの一番上へ