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高橋かつのりが自身の考えや想いを綴るコラム『夢だより 風だより』

新年のごあいさつ
2007.01.01

 「命」の大切さや在りようを考えさせられた平成18(2006)年が終わり、新しい年を迎えました。今ある私たちの幸せをひたすらに願って、今日の高根沢町を築き上げられた多くの先人の皆様に感謝を申し上げることが、新年を迎えた私の最初の務めであると思っています。

 

 南米・アンデス地方の先住民族に伝わる民話を紹介した「ハチドリのひとしずく」(光文社刊)という本が反響を呼んでいます。辻信一さんという方(文化人類学者で明治学院大学教授)がこの物語を日本に紹介しました。

 

《ハチドリのひとしずく》

 森が燃えていました

 森の生きものたちは

 われ先にと逃げていきました

 でもクリキンディという名の

 ハチドリだけは

 いったりきたり

 くちばしで水のしずくを

 一滴ずつ運んでは

 火の上に落としていきます

 動物たちがそれを見て

 「そんなことをしていったい何になるんだ」

 といって笑います

 クリキンディはこう答えました

 「私は、私にできることをしているだけ」

 

 とても短い物語です。しかも体長が10センチに満たない世界でもっとも小さいといわれている鳥の一滴では山火事は消せないでしょう。何の効果もない無駄なことだと切り捨てることは簡単かもしれません。でも何十万何百万という森の動物たちがそれぞれに「私にできること」をしたとしたら、火の勢いを止めることができるかもしれません。

 

 大切なことや大切な行為だと思っているのに、これまでの世の中の流れや諦めからその大切なことに目をつぶってはいないだろうか。できない理由を挙げる前に、まず自分ができることを考えることが大切なのではないか。

 

 高根沢町が七年前から行ってきた生ごみの堆肥化をはじめ、信頼される行政であるために従来の行政構造、行政体質を抜本的に改革しようとしたISO9001認証取得や行政評価システム・人事評価システムの導入など、県内市町村にあって当時は皆「ハチドリのひとしずく」であったと思います。昨年11月から始まったてんぷら油をディーゼルエンジンの燃料とするBDF事業も同じです。しかし、町民の皆様のご協力によってそれらは、一滴から大きな流れへと変わることができました。

 

 昨年4月に町民の皆様に提示した「高根沢町地域経営計画」の合言葉は、「手間、暇かけて」~行政改革から行政創造へ~でしたが、今年は、この計画にある数々のプロジェクトがいよいよ本格的に動き出します。

 

 燃えさかる森に一滴の水を落としつづけたハチドリのように、全職員が心を一つにして、町民の皆様とともに、自分にできる「ひとしずく」を考え行っていく年にしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

■こちらのコラムに関して

こちらのコラムは、高橋かつのりが高根沢町長在任時、高根沢町の広報誌『広報たかねざわ』で執筆していたコラム『夢だより 風だより』を、高根沢町の許可を得て転載しております。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載はご遠慮下さい。
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